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打者の打率ランキング、投手のタイトル争いなどで、規定打席、規定投球回に達しているかどうかでランクインしてくるかどうかのニュースを見かけたことあると思います。
打者も投手もこの規定数をクリアするかで球団からの評価が大きく変わります。
この規定打席や規定投球回というのは、どの水準で設定されているのか?という疑問に回答していきます。
✔️この記事でわかること
- 規定打席を解説
- 規定投球回を解説
- 規定打席・投球回がプロ野球選手としての評価の基準になる理由
ひとつずつ解説していきます。
規定打席を解説
規定打席とは
プロ野球において、リーグが発表する打撃ランキングの対象となるために必要な打席の数のことである。
NPBでもMLBでも首位打者タイトル争いの場面で必ずこの規定打席という言葉が出てきますよね。
時代を遡ると、19世紀の野球では選手数は少なく、全選手が試合に出るのが当たり前でした。
その時期は打率も、対象者全員の記録を比較すればよかったんですね。しかし、選手数が増え、レギュラーと控えの差ができてくると、ランキングを作成するうえで不都合なことが増えてきたようです。
10打数で5安打、打率.500を打った打者は、100打数で35安打、打率.350を打った打者より上だといえるのか?
この議論を解決するために、最低限の打席をクリアした選手の中から、打率No.1を決めましょうってなったんですね。
関連:【プロ野球】日米通算安打数ランキングTOP10!歴代最も安打を記録した選手は?
打席と打数の違い
打席と打数って何が違うの?って疑問を持った方多いと思うので解説します。
打席とは、そのまま「打席に立った回数」のことを指しています。1試合で4回バッターボックスに立つチャンスが巡ってきたとしたら、それは「4打席」となります。
打数とは「打席数-(四球+死球+犠打+犠飛+打撃妨害+走塁妨害)」という計算で求められるようになっています。
四球や死球は投手側に責任があるため打数には数えず、犠打(バント)や犠飛(犠牲フライ)は、自身の安打を犠牲にする戦略の一つであり、こちらも打数には含まれない決まりになっています。
まとめると、バッターボックスに立った回数(打席数)から、自分ではどうしようもないプレー結果と、ヒットを捨てて自らを犠牲にしたと考えられるプレーの数を引いたものが打数になります。
同じような意味で使ってしまいそうな打席と打数はこれだけの違いがあるんですね。
規定打席の計算方法
規定打席数は次の計算により求めます。なお、日本プロ野球もアメリカ大リーグも同じ計算式を用いています。
- 一軍(メジャーリーグ)「規定打席=試合数×3.1」
- 二軍(マイナーリーグ)「規定打席=試合数×2.7」
この計算式からすると、
- 日本プロ野球の規定打席数⇨143試合×3.1=443回(四捨五入)
- メジャーリーグの規定打席⇨162試合×3.1=502回(四捨五入)
なお、日本の試合数はリーグ内125試合に、交流戦18試合を加えた143試合です。雨天等で試合中止となった場合は、再試合が行われるので、年間試合数及び規定打席数に変更はありません。
その一方、アメリカ大リーグでは雨天等で中止の場合、再試合は行われないことから、年間試合数及び規定打席数は流動的になります。
ホームラン数や打点は規定打席とは関係なくランキングに入る
ホームラン数や打点、安打数は、規定打席以上立たずともランキングに入ります。
これらの指標は全て打った分だけ増えていく指標で、打率と出塁率のように変動がありません。
そのため、規定打席以上立たずともホームラン王や打点王のタイトルを獲得することができます。
ここ最近だと、2012年に当時ヤクルトスワローズ所属のバレンティン選手が、規定打席未到達ながら、ホームラン31本を放ち、ホームラン王のタイトルを獲得しています。
規定投球回を解説
規定投球回とは
規定投球回(きていとうきゅうかい)とは、プロ野球の公式戦において、投手が最優秀防御率のタイトルを獲得する際に必要な投球回の事である。公認野球規則9.22(b)により規定投球回は定められている。(抜粋:wikipedia)
規定投球回は次のように定められています。
- 一軍の規定投球回 = 所属球団の試合数 × 1.0
- 二軍の規定投球回 = 所属球団の試合数 × 0.8
(小数点以下四捨五入)
投手は一軍の試合数以上のイニングを投げれば、規定投球回はクリアになるということですね。
沢村賞の基準は200イニングになるので、規定回数から1.4倍のイニングが必要になるということです。
過去には最高勝率のタイトルを獲得する際にも必要あったようですが、現在では投球回数ではなく勝利数を規定してます。
関連:【プロ野球】投手の先発・中継ぎ・抑えの役割分担と違いを解説します
規定投球回歴代一覧表
年 | セントラル・リーグ | パシフィック・リーグ |
---|---|---|
1950 | 投球回180 | 投球回135 |
1951 | 投球回135 | 投球回135 |
1952 | 投球回180 | 上位4球団:投球回180、下位3球団:投球回162 |
1953 | 投球回176 | 投球回180 |
1954 | 投球回198 | 投球回210 |
1955 | 投球回190 | 投球回210 |
1956 | 投球回190 | 投球回230 |
1957 | 投球回195 | 投球回198 |
1958 | 投球回190 | 投球回190 |
1959〜1960 | 投球回182 | 投球回(チーム試合数×1.4) |
1961 | 投球回182 | 投球回196 |
1962 | 投球回(チーム試合数×1.4) | 投球回(チーム試合数×1.4) |
1963 | 投球回196 | 投球回210 |
1964 | 投球回140 | 投球回150 |
1965 | 投球回140 | 投球回140 |
1966〜1968 | 投球回(チーム試合数×1.0) | 投球回(チーム試合数×1.0) |
1969〜1989 | 投球回130 | 投球回130 |
1990〜1996 | 投球回(チーム試合数×1.0) | 投球回130 |
1997〜2000 | 投球回(チーム試合数×1.0) | 投球回135 |
2001〜2003 | 投球回140 | 投球回140 |
2004 | 投球回138 | 投球回133 |
2005〜2006 | 投球回146 | 投球回136 |
2007〜2014 | 投球回144 | 投球回144 |
2015〜2019 | 投球回143 | 投球回143 |
2020 | 投球回120 | 投球回120 |
「チーム試合数×1.x」の年は引き分け再試合制採用
規定打席・投球回がプロ野球選手としての評価の基準になる理由
一軍の試合に出続けたという証明
プロ野球の世界は良くも悪くも結果が全ての世界ですよね。
自分の働きぶりが全て数字で表されてしまいます。もちろん目に見えないチームに貢献するプレーなどは評価対象になることもありますが、比重は圧倒的に数字での結果です。
規定打席、規定投球回に達することのメリットは、選手としての評価を受けやすくなることです。
規定打席、規定投球回に達した選手は、1年間故障やスランプに陥ることなく、チームに貢献をした証となります。
万が一、規定打席数に達していないと、打率ランキングの対象にはならず、たとえ高打率を残したとしても、首位打者のタイトルを獲得することはできません。
プロ野球選手が、結果を残す前に健康管理や体調管理にも力を入れるのは、パフォーマンスを長いシーズンで保ち続けるために必要不可欠なことが分かりますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
規定打席と規定投球回の基準がわかれば、プロ野球中継を見ながらより数字で楽しめるようになります。
結果が出ないと2軍や戦力外になってしまう重圧と常に戦いながらプレーするプロ野球選手は本当に凄いですよね。
こういった背景を知りつつプロ野球を楽しみましょう。
ではまた。
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